「寝転ぶと反ってしまう」「座るとすぐ崩れる」
TLR(緊張性迷路反射)
という体のしくみ
こんにちは。
のびのび広場エミタス代表の山口です。
川越市で放課後等デイサービス・
児童発達支援を行う中で、日々さまざまな
お子さまと関わっています。
お子さんにこんな様子はありませんか?
「寝転ぶと体がピンと反ってしまう」
「座ると背中が丸まって、すぐに姿勢が崩れる」
「うつ伏せをとても嫌がる」
実はその背景に、緊張性迷路反射
(TLR:Tonic Labyrinthine Reflex)
という原始反射が関係している
ことがあります。
今回は、発達支援の視点から
TLRのしくみや子どもへの影響、
支援の工夫について分かりやすくご紹介します。
TLRとは?
TLRは重力に対して体が無意識に
反応する原始反射です。
-
仰向けになる → 体が自然に反ろうとする
-
うつ伏せになる → 体が丸まろうとする
赤ちゃんが生まれたときに備わっており、
重力を感じながら体を使うために
必要な一時的な反応です。
通常は 生後4か月頃までに統合(消えていく)
のが理想とされています。
TLRが残っているとどうなる?
成長の過程で統合されずに残ってしまうと、
次のような様子が見られることがあります。
-
座っていても体が反って安定しない
-
うつ伏せや前かがみの姿勢が苦手
-
筋肉の緊張が強く、リラックスしにくい
-
緊張しやすく疲れやすい → 集中力が続かない
-
書く・読む・姿勢保持などで苦手さが出やすい
👉 見た目には「姿勢が悪い」「落ち着きがない」と
誤解されやすいですが、実際には体の反射的な反応が
背景にあります。
学習や生活での“つまずき”の例
-
椅子に座っていても体勢がすぐ崩れる
-
だらしない姿勢に見られてしまう
-
視線が安定せず、読み書きに時間がかかる
-
運動のときにバランスを崩しやすい
これらは「やる気がない」のではなく、
身体の反射が学習や生活を妨げている
可能性があります。
支援のアプローチ
TLRの影響が見られる子どもに
対しては、次のような工夫が
効果的です。
-
深い呼吸ややさしいタッチで体の緊張をゆるめる
-
寝転んで「反る」「丸める」といった動きを遊びに取り入れる
-
バランスボールや揺れ遊び、うつ伏せでの感覚刺激
-
頑張らせすぎず、安心できる環境を整える
👉 「無理にやらせる」のではなく、
体が自然に育ちやすい環境づくりが大切です。
「反る」「丸まる」にも
意味がある
TLRが残っていると、子どもは無意識の体の
反応に振り回され、姿勢や集中に
困りごとが出やすくなります。
それは「姿勢が悪い」からでも「努力不足」
だからでもなく、体の仕組みが
関係しているのです。
大切なのは、子どもの体の反応を理解し、
「どうすれば心地よく体を使えるかな?」
という視点で見守っていくことです。
✏️ 次回予告
次回は「ガラント反射」について
詳しく解説します。
背中をなぞると体がくねる、この反射が残ると
「じっと座っていられない」
「落ち着きがない」と
見られてしまうことも。
ガラント反射と子どもの発達との関わりを
分かりやすくお伝えします。
川越市で放課後等デイサービス・
児童発達支援をお探しの方へ
のびのび広場エミタスは、埼玉県川越市
でお子さまの発達をサポートしています。
現在、笠幡教室・野田教室で療育を
行っており、的場教室は2025年11月
オープン予定です。
遊び・運動・食育を取り入れた療育で、
お子さまが安心して成長できる
環境を整えています。
見学や体験も随時受付中です。
どうぞお気軽にお問い合わせください。
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