体と心の発達を支える
原始反射から考える
大人のかかわり
こんにちは。
のびのび広場エミタス代表の山口です。
川越市で放課後等デイサービス・
児童発達支援を行う中で、日々さまざまな
お子さまと関わっています。
原始反射を知ることは、子どもの“土台”を知ること
これまでの連載では、原始反射と子どもの
発達との関わりについて解説してきました。
大人が「原始反射の存在」を知ることは、
知識としてだけでなく、子どもが なぜ
困っているのか に気づくための大切な
視点となります。
① 原始反射と行動の
つながりを振り返る
まずは、これまで取り上げてきた代表的な
原始反射と、その特徴を簡単に整理します。
原始反射 | 未統合による特徴 |
---|---|
モロー反射 | 驚きやすい、集中が途切れやすい |
FPR | 過剰な不安や緊張、固まる反応 |
ATNR | 書字や視線がズレる、姿勢が不安定 |
STNR | 座位・立位が安定せず、集中が難しい |
TLR | 背中が丸まりすぎる/反る、体幹が不安定 |
これらが統合されないまま残っていると、
子どもは 「頑張ってもうまくいかない」
状況に直面しやすくなります。
② 発達のプロセスでつまずく
とき、大人はどう関わるか
発達の途中で子どもが「止まってしまった」
ように見える場面があります。
しかし、それは止まったのではなく
その段階に長くとどまっているだけ
かもしれません。
大人に求められるのは、
「なんでできないの?」ではなく、
「今、何が育っている途中なんだろう?」
と見つめ直すことです。
③ 「正そう」とする前に
「土台を育てる」視点を
子どもの行動が気になるとき、
つい「正しい行動に導こう」としがちです。
けれど、原始反射の視点から見ると、
行動の前に 体のしくみ が影響している
場合が多いのです。
-
姿勢が崩れるのは「筋力不足」や「やる気のなさ」ではなく、反射が残っているから かもしれません。
-
集中できないのは「意識が低い」からではなく、感覚が安定していないから かもしれません。
👉 土台が育てば、行動は自然と変わっていく
——この発達の仕組みを信じて関わることが大切です。
④ 安心の土台をつくるためにできること
では実際に、子どもの発達を支えるには
どうすれば良いのでしょうか?
-
安心感を与えるタッチや遊び(触覚・前庭刺激)
-
深い呼吸を促す姿勢づくり
-
繰り返しのある遊び(ハイハイ、転がる、バランス遊び)
-
「失敗しても大丈夫」と伝える言葉がけ
-
子どもが“自分のペース”で挑戦できる環境づくり
特別な訓練ではなく、日常の関わりや遊びの
中でできる工夫 が、子どもたちの安心と発達を
支える土台になります。
大人が“理解し、寄り添うこと”が最大の支援
原始反射は「できない理由」ではなく、
「どうすれば力を発揮できるか」に目を
向けるきっかけ です。
「もっと頑張って!」ではなく、
「よくここまで頑張ってるね」
と声をかけること。
それが、子どもにとって最も
大きな支援になります。
大人の理解と寄り添いが、子どもたちの
心と体を支える最大の力になるのです。
次回は「原始反射チェックの実例」や
「発達を支える遊びのヒント」など、
実際に家庭や支援現場で活かせる
アプローチをご紹介します。
どうぞお楽しみに!
川越市で放課後等デイサービス・
児童発達支援をお探しの方へ
のびのび広場エミタスは、埼玉県川越市
でお子さまの発達をサポートしています。
現在、笠幡教室・野田教室で療育を
行っており、的場教室は2025年11月
オープン予定です。
遊び・運動・食育を取り入れた療育で、
お子さまが安心して成長できる
環境を整えています。
見学や体験も随時受付中です。
どうぞお気軽にお問い合わせください。
笠幡教室 049-299-7204(池ノ谷)
野田教室 049-256-9743(發知)
的場教室 049-299-7204(川上)
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