書く・読む・体がちぐはぐ?
ATNR(左右非対称性緊張性頸反射)
という“動きのクセ”
こんにちは。
のびのび広場エミタス代表の山口です。
川越市で放課後等デイサービス・
児童発達支援を行う中で、日々さまざまな
お子さまと関わっています。
「ノートに文字を書こうと
すると体が傾いてしまう」
「片手で支えないと姿勢が崩れてしまう」
「頭を動かすと一緒に体まで
ついていってしまう」
子どもたちのこんな姿を見て、
「落ち着きがないのかな?」
「姿勢が悪いなあ」
と感じたことはありませんか?
実はその背景に、
ATNR(左右非対称性緊張性頸反射)
という“原始反射”が関わっている
場合があります。
今回は、発達支援の視点から「ATNRとは何か」
「子どもたちの生活にどんな影響があるのか」
を分かりやすくご紹介します。
ATNRとは?
赤ちゃんが生まれたときに
備わっている「原始反射」のひとつです。
-
首を横に向けると、顔を向けた側の手足が自然に伸びる
-
反対側の手足は曲がる
という特徴があり、通常は 生後4〜6か月頃に
自然と統合(消失)していきます。
これは赤ちゃんが成長するうえで
大切な動きのひとつですが、大きくなっても
この反射が残っていると、頭と体の動きを
分けることが苦手になってしまいます。
ATNRが残っていると
出やすい特徴
-
書くときに頭と体が同時に動いてしまう
-
片手作業が苦手で、両手を上手に協調できない
-
視線がズレてノートや黒板が見にくい
-
体が斜めになったり、姿勢を保ちにくい
-
スポーツで左右のバランスが取りにくい
👉 このように、日常生活や学習に
「動きのクセ」として現れることがあります。
学習や集中への影響
-
椅子に座っていても体がまっすぐ保ちにくい
-
読む・書く動作に集中しづらい
-
板書のときに目線をスムーズに動かせない
-
無意識に体が緊張して疲れやすい
-
字が曲がったり、マス目からはみ出しやすい
「もっと丁寧に書きなさい」
「ちゃんと座って!」と声をかけても、
改善が見られないときは、
努力不足ではなく身体のしくみが
関係しているのかもしれません。
支援のポイント
ATNRが残っている子どもたちには、
次のようなアプローチが役立ちます。
-
首や肩、背中をほぐし、体の緊張を和らげる
-
背骨や体幹を安定させる動きを促す
-
首と手足が過剰に連動しないよう「体の分化」をサポート
-
左右交互のゆったりした運動を取り入れ、反射を整えていく
👉 「体の安心感」が育つことが、
集中力や学習意欲の土台になります。
「うまくできない」のは努力不足じゃない
ATNRが残っていると、子どもたちは
姿勢や動作に“ぎこちなさ”が出て
しまいます。
しかし、それはやる気や集中力の
問題ではなく、無意識に働く
身体の反応の影響かもしれません。
大切なのは、
「そういう身体のしくみがある」
ことをまず知ること。
そして「どうすれば無理なく動けるのか」
を一緒に探していくことです。
次回は、「立つ・座る」が
ぎこちないのはなぜ?
STNR(対称性緊張性頸反射)
についてご紹介します。
川越市で放課後等デイサービス・
児童発達支援をお探しの方へ
のびのび広場エミタスは、埼玉県川越市
でお子さまの発達をサポートしています。
現在、笠幡教室・野田教室で療育を
行っており、的場教室は2025年11月
オープン予定です。
遊び・運動・食育を取り入れた療育で、
お子さまが安心して成長できる
環境を整えています。
見学や体験も随時受付中です。
どうぞお気軽にお問い合わせください。
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